ランチョンセミナー④
平成30年1月20日(土)12:30~13:30(鳳凰の間/東)
共催:株式会社千代田テクノル


小型の放射線治療用線量計による光子線の水吸収線量計測について

千葉県がんセンター 放射線治療部 片寄 哲朗

 近年,定位放射線治療や強度変調放射線治療のためにTomotherapy,CyberKnife,フラットニングフィルタなしで光子線の出力を可能としたリニアックなどの放射線治療装置が登場した.これらの装置から発生する放射線の特徴として,線量分布の平坦な領域が狭いことがあげられる.このため,基準照射野での水吸収線量の計測に0.6 cm3程度の電離体積を持つ電離箱を使用すると,部分体積効果により計測点の線量を過小評価する可能性が生じる.したがって,できるだけ小型の電離箱の使用が望ましい.しかし,小型電離箱は極性効果やイオン再結合効果の予測が困難であり,水吸収線量の標準計測への使用は推奨されていなかった.その後,この問題を解決した小型電離箱が開発され,これらの補正が可能となった.
 治療時には二次電子平衡が成り立たなくなるほど小さい照射野を使用する場合がある.このような極小照射野の水吸収線量計測では,電離箱の電離空洞内の空気によって放射線場の擾乱が大きくなる.したがって,水等価である小型の検出器の使用が望ましい.
 本講演では,小型の電離箱線量計による高エネルギー光子線の水吸収線量の標準計測について概説すると共に,極小照射野の光子線計測における検出器特性を解説する.