支部長挨拶Message

 ご挨拶

 私は平成11年より理事として近畿部会運営に携わって参りました。その間、近畿部会特有の熱い諸先輩方からご指導を頂き、会の運営や近畿部会としてのあり方を学んで参りました。この近畿部会を通じて様々な方々と知り合い、語り合い、お互いに刺激を与え与えられ、その影響が私の進む道を大きく変えたことは間違いがありません。また会議のあり方や組織運営の重要性を学んだのも近畿部会であったことも確かです。その間、私を温かく見守って頂いた近畿部会の方々にそのご恩を返し、さらには若き会員の方々にその魅力を伝えたいと思い平成27・28年度の支部長に立候補させていただきました。

 私が見様見真似で学会発表というものに携わり始めた1980年代、一応私にとっては研究であった資料や発表時の原稿やスライドを今も完全ではありませんが保管しています。懐かしい思いで中を見返せば正直な所かなりの問題を感じてしまいます。パソコンもない時代には仕方ないかもしれませんが自在定規でプロットの間に感覚的に引かれた近似曲線、少ない実験回数で得たデータをもとに少しでも差があればその手法の良し悪しを判定するという統計解析がなされていない評価、過去の文献を踏まえることのない検討などその不備の数々が目についてしまいます。まったくの私見ではありますが、その時代はそういった程度のものが診療放射線技師の参加する学会では多く見られたように思います。ただしそのような中でも抜きん出たハイレベルな研究をされておられた方々は必ず存在しその異才を発揮されておられたと思います。

 しかし本学会は時とともに確実に真の学会へと進化し、そのスピードは近年急速に速度を増していることを痛感します。論文においては学術研究という基本に則った厳密な査読がなされ、倫理面を踏まえた研究であることの確認、利益相反の提示など真の正しい研究を発表する場であるための環境整備が整い、各大学の研究室からの発表も増えることでその内容も確実に高度化してきています。更には英語化を浸透させることによって見えてくるものは国際学会であることは間違いありません。

 私は近畿部会の原点が学術事業においても会議においても活発な「議論」であったと思っています。「議論」というと堅苦しくなりますが、例えるならば大阪のおばちゃん的なイメージです。誰しもが自分の思いや意見を自由に述べ、言い合い、切磋琢磨し気がついたら他にない洗練された結果を生み出していた。という感覚です。ただこの結果を生むためには重要な共通意識が必要です。それが「なんかオモロイことしよう」という強い思いです。オモロイことしようという共通の目的に向かって「それやったら、こうしたらええのちゃいまっか」「今頃なに言うてはりまんの今どきはこうでっせ」といった議論の盛り上がりがどんな問題をも軽々と解決し、素晴らしい成果が近畿部会内部で生まれる結果につながったと思います。

 今後、近畿部会が目指すは、歩まされているのではなく、自らが元気よく進んでいく学会、ポイント獲得のために行かなければいけない学会ではなく、行きたいと思える学会です。ただし会員の皆さんに、ここで重要なお願いがあります。事業を企画するのは学会側の役目です。しかし盛り上げるのも盛り下げるのもこれは参加者の皆さんの意欲が大きく影響することを知っておいていただきたいと思います。私が様々な研究会に参加する中で、医師が開くある狭い分野の研究会に行った際によく感じることなのですが、参加者も少ない研究会で、講師が述べた見解に対し会場から次々と質問や意見が出、講師、座長、参加者が一体となって議論する場面に遭遇します。結果的に会は盛り上がり、参加者の満足度も自ずと高くなります。つまり研究会がその場を提供はしましたが、その研究会を盛り上げたのは参加者であったのです。

 2015年3月から日本放射線技術学会では、各地方部会の名称を改め、支部と定めました。これにより、慣れ親しんだ「近畿部会」は「近畿支部」となりました。この節目ともなるこのタイミングで、前、錦部会長からのバトンを受け継ぎそのバトンの重さを痛感しています。輝く未来へ少しでも進むことができるように邁進して参ります。そして会員の皆さんには是非多くの事業にご参加いただき大阪のおばちゃん的な乗りで盛り上げていただきたいと思います。自らが興味をもって調べ実験し先駆者に教えを請い一つのことを突き詰めていく。その過程には仲間との議論は重要であり、その議論によって決して一人ではたどり着けない結果を手にすることができると思います。そして何かを掴んだ時の喜びは何物にも代えがたいものであるはずです。この感動をより多くの会員に経験してもらいその環を広げていくことに本学会がきっかけとなり、助けとなり、成果の発表の場となることを願っています。

近畿支部長 福西康修

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