大会長挨拶

日本放射線技術学会近畿支部第62回学術大会

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『LinK ~学べる、つながる~』

 

南部 秀和
(近畿大学医学部奈良病院)


 昭和31年第1回学術大会(大阪開催)から,数えて62回目の大会を奈良で開催させていただく運びとなりました.この度,歴史ある学術大会の大会長を務めさせて頂くことを大変光栄に感じ身の引き締まる思いです.前回の奈良開催で采配いただいた中前実行委員長,林副実行委員長には,無理をお願いして再度大役を引き受けていただきましたことをまず感謝申し上げます.
 第60回大会からの流れを汲み2日間にわたり学術大会を開催し,新たな試みとして開催時期を1月下旬より2ヵ月前倒して11月に開催することとしました.30年前の第32回大会を最後に30年続いたなじみ深い時期(1月下旬)から開催日を移動した理由は,支部間の学術大会開催の重複を避け,本部の秋季学術大会から時期をずらす,といった要因が検討されてのことであったと想像しています.しかし,この時期(1月下旬)は積雪することもおおく,開催時の障壁になることもありましたが,今回敢えて開催時期を11月に戻したのは,支部会員と学生を結びつけるためです.1月は国家試験直前の大切な時期で,卒業前の学生の参加者が少ない状況が続いていました.近畿支部事業として継続的に取り組んでいる学生の学術大会参加招致活動を推し進める手法のひとつがここにあります.ただ,演題登録をしていただく方々には,和歌山の第61回大会開催から10ヵ月しかなく,無理を強いてしまいます.最近は倫理審査が必要になり,研究を始めるまでに時間を要することになっていますので,その計画性が更に重要になってきています.これまで以上に広報には努めて参りますが,ご協力いただきますようお願い致します.
 今回の学術大会のテーマは,記憶に残りやすいように“ LinK ”とさせていただきました.Kが大文字であるのは誤植ではなく, “Learning in Kinki branch”のメッセージを匂わせるためです.学術大会を通じて,参加者のみなさまが,繋がりを実感し,学ぶことができる機会になれば幸いです.
 近畿支部学術大会は新人の(学会発表の)登竜門として,広く周知されています.聴講者とより多くの質疑がなされますように,研究内容を「よりわかりやすく,わかりやすいことをより深く,深いことをより愉快に」伝えていただけましたら短時間の交流がきっと実を結ぶことと期待しています.私自身も,入職した半年後に近畿支部学術大会(京都)の舞台に立っていました.研究テーマを与えていただいた先輩とは,今も上司と部下のよい関係性が築けていると一方的に確信しています.研究を通じて,学ぶこと,つながること,近畿支部の学術大会はそれを教えてくれました.33年の時を経て,その場を準備させていただける喜びに浸っています.是非とも,古都奈良での学術大会にひとと技術を求めて集まっていただきますようお願い致します.